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絵師ひでまさです😊
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このホームページでは、歌舞伎の女性を中心に描いたイラストと共に、歌舞伎の演目を紹介していきます。
そして、僕が描いた歌舞伎絵と共に、あらすじも交えて分かりやすく解説していきます😌
今回ご紹介するのは、歌舞伎舞踊・『寿栄藤末廣』(さかえことほぐ ふじのすえひろ)です。
今日の絵は、縁起の良い賑やかな舞踊です。
主役は、女帝(じょてい)です。
最上段の真ん中に女帝、中段に鶴と亀が踊っています。下段には従者と待女が踊っています。
最後まで読んでいただけたら、嬉しいです😊
演目名
歌舞伎舞踊
『寿栄藤末廣』
(さかえことほぐ ふじのすえひろ)
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あらすじ
1851年初演の謡曲『鶴亀』をベースに、当代坂田藤十郎の米寿を記念して作られた舞踊。
『寿栄藤末廣』は、この演目に女帝として出演する坂田藤十郎の、米寿を祝う舞踊である。
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大阪松竹座で初めて上演された。
女帝(藤十郎)の長寿を願い、鶴(鴈治郎)と亀(猿之助)、そして従者(亀鶴、歌昇、種之助)と侍女(壱太郎、米吉、児太郎)たちが舞いを踊る。
宮中から始まり、天からは藤の花、黄金色の雲の向こうに富士を臨む。
女帝の長寿と弥栄を願い舞う祝儀舞踊である。
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◇◇◇
うららかな春の節会の宮殿。
青陽と呼ばれる春になると、宮廷では四季ごとの節会のはじめ、新春の節会が行われる。
女帝が長寿の象徴である、鶴と亀に扮した廷臣と従者を従え出御する。
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女帝は不老門において、太陽と月の光を見て参集した大臣公卿は袖を連ねて列をなす。
その数は一億百余人、拝礼をすすめる領主の声によって、女帝をたたえる声が天にまで響く。
宮殿にある庭の砂は、金銀の玉をならべて敷き詰め、幾重にも重ねられた錦が敷かれている。
扉は瑠璃、橋げたはシャコ貝の貝殻で飾られ、瑪瑙の橋が渡された池のほとりに鶴と亀が遊んでいる。
蓬莱山と見まごうばかりの美しさ、これも全て女帝の徳によるもの。
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「天子様に奏上いたします。」
「なにごとであるか。」
「毎年のうるわしきためしとして鶴と亀に舞を舞わせ、その後月宮殿にて舞楽を催されるのがよろしいかと存じます。」
「よきに。」
亀は万年の歳月を生き、鶴も千年の時を重ねるもの。
千代なる御代の先例として、数あるものの中からいったい何を引こうか。
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引くものは数々あれど、正月の恒例、子の日に引くのは姫小松。
女帝の御治世に匹敵する齢の丹頂鶴は、羽をたおやかに動かしながら、千年の時を舞い遊ぶ。
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出御された女帝の前で、千年万年の寿命を捧げる、鶴と亀による舞いが披露される。
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池のみぎわには呉竹が青々と茂り、緑毛を背負った亀は、今日も穏やかに万年の時を過ごす。
安らかな君の御代を敬い申し上げて、鶴と亀が長寿の齢を申し上げると、女帝も深く感じ入られたか、舞楽を奏して舞い始めた。
月宮殿で行われる舞楽は、さながら月の宮殿で観た白衣の天人の舞のようである。
廷臣と従者は、女帝の長命長寿を願って吉例の舞を舞うのであった。
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その白き袂は季節を移して色とりどりに美しく、春の花のような袖はいつしか秋の紅葉のように、
そして冬の雪景色のように、また白くひるがえる。
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殿上人たちが霓裳羽衣の曲を演奏すると、女帝は、
「山川や草木をはじめとする国土のすべてが豊かになり、永遠に栄えていくように」
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と舞い始め、それを機に官人や駕輿丁はみこしを進め、女帝はその長寿を象徴する長生殿に、めでたく帰ってゆくのだった。
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『長唄・鶴亀:歌詞』 〈本調子〉 庭の砂(いさご)は金銀の 玉を連ねて敷妙の 五百重(いほへ)の錦や瑠璃の扉 如何に奏聞申すべき事の候 ともかくもはからひ候へ 亀は万年の齢を経 鶴も千代をや重ぬらん
〈二上り〉 みどりの亀の 幾万代も池水に 棲めるも安き君が代を 仰ぎ奏でて鶴と亀 齢を授け奉れば 君も御感の余りにや 舞楽を奏して舞ひたまふ
〈本調子〉[楽の合方]
月宮殿の白衣のたもと 月宮殿の白衣の袂 霓裳羽衣の曲をなせば 山河草木国土豊かに 君の齢も長生殿に 君の齢も長生殿に 還御なるこそめでたけれ |
藤十郎は、長男の鴈治郎、孫の壱太郎とともに、歌舞伎座を、艶やかな空気で満した。猿之助が華をそえ、長唄と琴の演奏にも加わり、「寿(ことほ)ぐ」という言葉の意味を体で感じさせてくれる。
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衣装メモ
●主役である女帝の衣装は、緑色の豪華な、裃(かみしも)に、薄黄色の十二単です。
緑の裃部分には、金色の雲がデザインされています。
薄黄色の十二単には、オレンジ色と水色の家紋がデザインされ、黄色い房をあしらい、豪華な衣装になっています。
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そして、頭には豪華な王冠をかぶっています。
王冠には、水色の宝石があしらわれ、黒の部分にも金銀の宝石があしらわれています。
そして両側に紫色の花が付き、その下からは銀色と青の飾りが流れています。
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さらに女帝の背後には、ピンク色の円形のものがあります。これは、女帝の玉座と後光を組み合わせてイメージして描きました。
女帝の手には、唐内輪(とううちわ)が見えています。
●鶴は薄紫色の衣装です。大きな家紋がデザインされています。
頭には金色の鶴の冠に、扇を手にしています。
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●亀は女性の亀です。
黄緑色の衣装に、波模様が描かれています。
そして頭には、金色の亀の冠を被り、右手に黒と金の扇を持っています。
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●従者は青色の直垂姿です。
衣装には、家紋が一ヶ所にデザインされ、中は黒の格子模様の着物です。
そして頭には、黒の烏帽子を付けています。
右手には黒の扇子を持っています。
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●待女は、紫色の水干姿です。
紫色の衣装には家紋がデザインされ、黒の烏帽子には黄色と赤の花が飾られています。
右手には同じく黒の扇子を持っています。
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女帝を中心に、みんなで祝いの舞を披露しています。
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今回の表現ポイント
●そして背景は、この舞台が大阪の松竹座で初演されたということで、大阪の有名な観光スポットを背景に持ってきました。
真ん中に通天閣があります。
その横にふぐ提灯、グリコの看板、かに道楽など有名な観光スポットがあります。
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さらに、ビリケンさんと食いだおれ人形も女帝の長寿をお祝いしています。
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女帝の長寿の祝いを、鶴・亀・従者・待女に加え、大阪の名物も一緒に祝う場面を賑やかに表現しました。
今回は、歌舞伎舞踊・『寿栄藤末廣』を紹介しました😊
今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました😊✨
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